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2008年06月アーカイブ

2008年06月30日

デビュー

16歳の女の子の、
ボーカル初デビューの日。
朝から、細かい雨が
降り続いていた。


彼女は、1ヶ月前に、
あるバンドのリーダーである
50代のギタリストと出会い、
一曲歌わせてもらうこととなった。


それからの1ヶ月、
受験勉強から少しだけ離れ、
歌のレッスンに明け暮れた。
小さな体からあふれ出す
若いエネルギーを表現し始めていた。
緊張と不安をかき消すために、
ときにおどけ、
狂ったようにふざけ、
そしてときに反抗的になり、
外から見ていても
それはそれは不安定な状態が
続いていた。


また、この時期、
彼女はたくさんの友達を
転校のため失ったときでもあった。


今日、彼女はたくさんの大人に囲まれて、
ひとりステージに立った。
辛い別れを経験しながら、
新しい人との出会いを
理解できたのだろうか。


16歳という純粋な姿のまま、
彼女は、厳しい大人の視線の中、
歌い上げた。


大きすぎるプレッシャーに
押しつぶされそうで、
自分が壊れそうになると、
自分の番が来るまで外に出て、
雨に濡れて、ひとりで自分の心と
闘っていた。


歌い終わったあと自己嫌悪の嵐に、
今度はさらされ、
何もしゃべらなくなっていた。
練習してきたようには
歌なかったという恥ずかしさの中、
反省ばかりをしていた。


彼女は、人前で表現するという
素晴らしさと、そして厳しさを、
痛いほど味わえた環境を、
たくさんの人のお陰で
与えてもらえたことに
気付けただろうか。
いつかこの意味が理解できたとき、
彼女は大きく成長できると
感じている。


それにしても、
長い長い1ヶ月間であり、
長い1日だった。


投稿者 椎名あつ子 : 18:32

2008年06月24日

あそび

何年かぶりに、
朝まで飲んでしまった。
何人かの仲間とダーツをしたりして
あそんでいたら、
空が明るくなっていた。
朝、5:00。


それにしても、みんな元気。
私より10歳以上も上の人ばかりなのに。


朝帰りは、罪悪感と疲労を
ともなうものだったことを、
思い出していた。


昔々、朝まで踊ったり、
友達と恋愛についてとか
話したりしたこともあった。
最近はそんなこともしなくなって、
次の日に備えるようになっていた。


若い頃に行っていたお店も
もうなくなってきていて、
遠のいていた本格的なあそびを味わった
週末だった。


それにしても、
あそぶって本当に疲れる。
年とっても、思いっきり
あそぶことのできる大人って
素敵だと思う。
あぁ、やっぱり、
体力作りは大切。


仕事だけじゃなくて、
あそび心は
忘れてはだめね。

投稿者 椎名あつ子 : 13:44

2008年06月20日

主婦

「なるべく月に1回は会おうね」
と約束した友達と、
やっと4ヶ月ぶりくらいに会えた。


わざわざ横浜まで
東京から出向いてくれた彼女は、
3人の帰国子女の子どもがいる。


長女は外資系のコンサルティング会社に就職し、
次女はアメリカに留学中、
長男は今、大学生で下宿中。


3人の子どもからも手が離れ、
自由な生活をしているように見えていたが、
ただ今は子どもたちが夏休みに入り、
家族が5人に戻り、家事に追われているらしい。


彼女は、本当にパーフェクトなプロの主婦だ。


朝から3時間かけて家中の掃除をし、
洗濯はすべてアイロンをかけ、
週一回、長男の下宿に掃除に出かけ、
食後の夫の、はみがきのペーストまでもつけてあげて渡し、
「お茶」と言われればすぐに立ち上がり
テーブルに用意する。


私は聞いていて
ぽかんと口があいたままの状態だった。


「何故そこまでできるの?」
の問いに、
でも私、「夫のこと大嫌いなの」
と彼女はつぶやいた。


いろんな夫婦の形があるようだ。
夫が大嫌いでも、
家を守るのは女の仕事ということか...。


それにしても彼女はすごい。


主婦業を少し下に見ていて、
外で働いている人のほうが大変と考えている
世の中の男性たちが多い中、
どれだけ主婦業が大変かを改めて
私自身考えさせられた。


女という立場上、仕事をしていても、
家事をこなしていくことがあたりまえ
と思われているようで、
男の人にも、もう少し、
家庭の仕事ということを
意識してほしいと思った夜だった。

投稿者 椎名あつ子 : 17:41

2008年06月18日

昨日、連続幼女誘拐殺人事件の
宮崎勤死刑囚の死刑が、
執行されたニュースを知った。


私は、先日の秋葉原の
連続殺人事件が起きてから、
自分の中で何かが動き出し、
「死刑」について考えるようになっていた。
今、存続か廃止かを問われ始めてきている中、
私はまず、ある日突然自分の身内を殺された
遺族の気持ちを考えると、
存続と思っていた。


ところが、秋葉原の事件で、
本当に、こういった恐ろしい残酷な事件を
今後なくすために死刑は意味があるのか
分からなくなり、
まず、知らされていない、
そして、私の知らない死刑の事実、
そして実態を知ろうとして、
本を読み始めていた。
とにかく、もっと知りたい。
知らなければ意見は言えないと、
思い始めていた。


そんなときだった。
昨日の宮崎の死刑執行が起きた。


どの新聞にも、ネットの情報でも、
宮崎からは最後まで、
一度も反省や謝罪の言葉は聞かれず…
とあった。


私は、死刑について、昨日のこともあり、
混乱している。
死刑廃止なら、終身刑という考えもある。
(これは、今読んでいる本からの情報。)


終身刑は、死刑より、
死刑囚には重い気もする。
でも、殺人のあり方をみると、
遺族の気持ちを考えると、
軽い気もする。


やはり、私は答が出ない。


昨日は、自分で答が出ないことに
少しホッとしながらも、
自分に意見がないようで、
少しイライラもした。


私は、宮崎勤が、自ら書いた本をオーダーした。


私は、しばらくの間、
時間をかけて考えてみたい。
人の命について。
死について、
そして、生について。
本気で考えようと、今、思っている。
そして、またここで、
書きたいと思っている。


はっきりとした答が出るのか
分からないけれど、
今よりも私は、何かを気付けて
いくだろうと感じている。
今はとにかく、日本の死刑制度の
すべてを知りたい。
そして、感じたい。
死刑囚の意味を、
遺族の心の意味を、
同じ人間として知りたいと、
強く思っている。

投稿者 椎名あつ子 : 12:31

2008年06月16日

お互いの価値観

何故、分かってもらえないんだろう。


そう思い悩んでいる人が多い。


先日のカウンセリングでも、
価値観の違いに悩んでいる夫婦が来た。


何故、もっと理解してくれないんだろう。
何故、すぐ黙って、何も言わないんだろう。


何故、いつも疲れたからといって、
子育てを私に任せるんだろう。


私は、こんなにも相手のためにしてきたし、
私たちはあの時、子育ては一緒にしようと
約束したのに。
あの人は、頑張ると言ったのに…


簡単に言ってしまえば、


① ~してあげたから と思うのをやめる。


② 人は変化する。
だから、あの時の約束は、
今のものとは変わっていると考える。


③ 自分の思い通りにいかないことを、
相手のせいにしない。


ということなんだと思うが、
なかなかお互いの感情論が、
譲り合うところまでいかない。


私だったら、こうはしない。
僕だったら、そんなことはしない。
という考え方も、
それは自分流の価値観。


何を優先していくのかは、
自分の問題で、
相手の問題ではないと思う。


自分が納得しないのも、
自分がイライラするのも、
自分が幸せを得られないのも、
相手のせいばかりではないのよね。


…と、時に、自分の胸に手をおいて、
静かに目をつぶって、
見直すときも必要なのかな。


そんなことを、私自身も、
自分に言い聞かせた時間だった。

投稿者 椎名あつ子 : 19:16

2008年06月13日

エアコン

夏が始まる前にと思い、
エアコンの業者に
初めて来ていただき、
掃除をしてもらった。


普段、自分で掃除できないところにまで
メスが入り、
ドロドロとした黒い液体が
流れ出してきた。


大手術だ。


私は、この初めての光景に、
感心し、そして感激した。


まさに、プロの仕事。


エアコンの治療は無事終わり、
3台のエアコンは復活した。
たかがエアコンだけど、
何か、解放された気分に
私自身がなっていった。


大きな達成感を味わえた気がした私は、
やはり、単純なのかもしれない…


と、少し自分にあきれながら、
美しくなったエアコンを
うっとりと眺めた日だった。

投稿者 椎名あつ子 : 11:29

2008年06月11日

流行

ある幼稚園児の男の子が、
お友達の集団に入れず、
ひとり孤立しているということを知り、
そのお母さんが、
息子さんのことで相談にいらした。


そのお母さんも人との会話に入れず、
人と接することが苦手ということで、
自分のせいで息子さんまでも
同じような性格になってしまったと、
後悔し苦しんでいる姿は、
まるで子羊がおびえているようだった。


何故、人との会話に入れないのかを
よくよく聞いていく中で
分かったことがいくつかあった。


ひとつは、会話に入れない理由に、
他の人たちの会話の内容が
理解できないということがあった。
息子さんの孤立も、
お友達との会話についていけないことが
原因であるようだった。


今度は、家の中での生活について聞いていくと、
テレビをほとんど見ない、
見る番組は、NHKのニュースか教育テレビで、
それ以外は見せないように
しているということが分かってきた。
つまり、今の世の中の情報からはずれ、
何が流行しているのか、
何が今、話題になっているのかを
全く、家族中が知らないといった状況が、
そこにはあった。


その子は、子ども番組のキャラクターも知らない。
お笑い番組のネタも全く分からない。
夫は流行を嫌い、
くだらないものと決め付けていて、
妻である彼女はそれに従って、
質素に静かに生活していた。


私は、流行を追うことと、
流行を知るということは、
違うと思っている。
流行は、知った上で、
自分が必要かどうか判断していく
ものであるという話をしていった。
情報が多く、また情報がどんどん
新しいものへと変化していく
現代社会に生きていく中で、
ある程度、多少、
順応していく必要もあるのではないかと
感じた。


「あなたが、人と関わる能力に
欠けているのではなく、
もしかしたら、ここ何年間か
浦島太郎になっていたのではないかしら…」


彼女は、浦島太郎という言葉に
大きくうなずき、
少しホッとした様子だった。
そしてまず、自分のために、
女性雑誌を買って勉強してみると言って
帰っていった。


次回の彼女とのカウンセリングが
楽しみになってきた。
人は、いつからでも変われるから。


投稿者 椎名あつ子 : 19:44

2008年06月09日

整理整頓

梅雨がはじまり、
うっとうしい毎日が続いている。
そのせいなのか、こころのところ
朝起きるのがつらく、
とにかく眠い。
疲れているというよりも、
眠っていたいと思うことが多い。


こういう時ほど、すっきりしたい。


事務所のたくさんの書類など、
細々としたものを整理し始めた。
今まで気付かず生活してきた
スペースの中に、
とにかくたくさんのものが
たまり続け、
ゴミと名付け、捨て始めると、
何とムダなものをしまいこんで
いたのかと気付かされ、
その量に驚かされた。


少し片付いてすっきりとした後は、
心の中までも整理されたようで、
気持ちよく感じた。


思いを背負うということばがあるけれど、
私たちはきっと、
意味のないムダなものまでも
たくさん詰め込んで、
背負って歩いているのかもしれない。


今、本当に必要なものは何なのか、
何を捨てていいのか、
何が必要なのか、
時に考えてみると、
意外とたくさんのゴミが出てきて、
軽い荷物になるのかもしれない。


勝手に自分で必要だと思い込み、
持ち歩いているものの数を知ると、
自分で自分をどれだけ追い込んでいるのか
分かるのかもしれない。


掃除をしながら、
そんなことを考えていたら、
自分の頭の中の整理も
し始めようと思いつき、
何だか楽しくなってきた。


もしかしたら、
要らないもので埋め尽くされて
いるかもしれない。
だから、早く片付けなくちゃ!!


投稿者 椎名あつ子 : 14:45

2008年06月05日

my way

charaのmy wayを聴く日が、
また来た。
つまりそれは、私の誕生日。


ここ何年も、この日は、
欠かさずこの曲を聴く。
そして思いにふけ、
じーんときて、
自分の誕生日の意味を感じる。


今年は、三浦の家で、
集まってくれた仲間と
その日はバーベキューをした。
ふり続いていた雨がピタっとやんで、
太陽も一緒に祝ってくれたように思えて、
嬉しかった。


歳を重ねることが、最近、
楽しくなってきた。
若い時代の、理想を追いかける
希望に満ちた感覚は
減ってきているけれど、


「今日まで、私は生きてきました」


という事実が、ひとつの自信に
なってきはじめてる気がする。


何か大きな実現が増えるとか、
経験が多くなるというよりも、
生きているという事実を
今は幸福としてとらえていることに、
感謝したいと思う。

投稿者 椎名あつ子 : 14:35

2008年06月02日

静まり返った広いお寺で、
私は目を閉じ、手を合わせる。
生きていた頃の祖母の、
気丈な性格だった姿が目に浮かぶ。


(あなたから受け継いだものを、
私は私なりに守ってゆきます。
どうか、見守っていてください。)


何度も何度も祈った。


その後、父は、
何かあったときのためと言って、
一人っ子の私に、
法事の行い方の説明を繰り返す。


私は上の空で、
次、何かあったときという意味を
無理矢理もみ消そうとしていた。
決して避けられない現実が、
将来、起きることを予想すると、
私は辛すぎて、消えてしまいたくなった。


お墓に供えた花が、雨の中、
美しかった。
母親をなくした父の背中が、
優しかった。
仏様となった祖母の魂が、
私の体の中で、
今日から生き始めた。


私は、これからの人生を、
祖母の魂を感じながら、
両親を想って過ごしていきたいと
心から願った。


すべての風景が愛しく思えた
雨の日の今日、
魂ということばを
かみしめた日となった。


投稿者 椎名あつ子 : 17:07

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

横浜市中区と三浦市の2箇所に開設している女性のための心のカウンセリングルームです。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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